マーケティング初心者の備忘録

勉強のために読んだ本の備忘録です。

何が「欲しい」か分からない #3

 

 

 

本日もお疲れ様です。

引き続き、「『欲しい』の本質~人を動かす隠れた心理『インサイト』の見つけ方~」を読み進めていきます。

成熟した市場においては、十分な機能と品質を併せ持った製品、サービスがあふれている。その中で際立ったものを生み出すには、従来の開発の考え方と違う見方が必要というのが作者の提言です。たとえば冷蔵庫やテレビ、エアコンなどといった家電は、かつては生活の不便さを補うために必要な機能を追加、あるいは洗練し、利便性を追求していました。しかし、ある程度課題をクリアしてしまって以降は、どれも横並びとなりはっきりとした差をつけにくくなってしまったといいます。

本書では、そうした膠着した状態の中から抜け出す、「イノベーション」を起こすことができる考え方として「インサイト」を紹介しています。

ただ考え方を事例を交えて説明するだけでなく、作者が実際に「インサイト」を用いた開発支援を行う中で体系化した作業フローや、フレームワークなど実際に活用できる内容(わたしのレビューの中では具体的などについては触れません)となっていますので、実際に商品開発などで課題を抱えている方などは、ヒントを得られるかもしれません。

そもそも何故「インサイト」が「イノベーション」につながるのかというと、「インサイト」とは「人を動かす隠れた心理」であり、競合はおろかユーザーですら気付いていない新たな課題を見つけ出し、それを商品開発に活用する方法だからなんです。

それでは、その隠れた心理を見つけるにはどうしたらいいのか?わたしは真っ先にアンケートと思いましたが、どうも違うようです。そもそも、アンケートの回答は、すでに意識の上に出てきており、それは無意識の課題ではないと。アンケートに答えるときに、人は理性的(あるいはそう思い込んで)に内容を考えるのですが、実際に商品を選ぶときは、その通りに考えているわけではないので、必ずしも参考になるものではないというこのようです。このことは、なるほどなぁと思います。健康に気をつけようと思う一方で、ジャンクフードを食べたくなってしまう。。。理性的に考えたら食べない方がよいはずなのですが。。。

世の中健康志向だから、健康的なインスタントヌードルを作ろう!となるか、いやいやあえてスーパー特盛りを期間限定でやろう!となるか。どちらが正解ということではないですが、あえていうなら特盛りでしょうか。健康というワードとインスタントヌードルにあまり親和性がないというか、そこは求めてないという(あくまで個人的な意見です)。

といったような、表には出てこない人間の思考や意識を読み取って商品開発につなげてみる考え方と、方法がたくさん詰まった本になっています。