マーケティング初心者の備忘録

勉強のために読んだ本の備忘録です。

アマゾン探検記

 

amazon 世界最先端の戦略がわかる

amazon 世界最先端の戦略がわかる

  • 作者:成毛 眞
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

本日もおつかれさまです。

 

今回は「amazon 世界最先端の戦略がわかる」を読んで気になって箇所のまとめと感想になります。

※書籍に登場する数値、データは発売された2018年当時のものになりますのであしからず

 

ECは、既存の流通形態を変えてしまう仕組みであり、卸、小売業の立場からすると、自分たちの存在を脅かすゲームチェンジャーです。一方で消費者の立場では年々身近な存在となっていると思います。私自身、実際に商品を手に取ることなく購入すること(特にアパレル)に抵抗感がありました。ですが、仕事が忙しくなり始めた数年前から、実際に店舗に行く時間が作れなくなり、必要に迫られamazonを利用し始めました。最初は恐る恐る購入ボタンを押していましたが、今ではお昼休憩にチャチャッと調べてポチるほどのヘビーユーザーとなっています。amazonだけでなく、ヨドバシやアパレルブランドのネット通販など複数のサービスを利用しています。

 

本書は、そんな数ある通販サイトの中でも、飛び抜けているamazonについて、その戦略を交えながら紹介しています。

 

インターネット上で商品が選べて、購入できるサイトはたくさんあるが、その中で何故amazonは圧倒的な存在なのか、そのポイントを作者は以下のように解説しています。

  • 豊富な商品ラインナップと低価格
  • 豊富な資金
  • 圧倒的配送力
  • 最先端のテクノロジー

これらの要素が強い相乗効果を生み出すことができているからこそ、他社には実現できないサービスが可能だということです。

 

その中でも特に気になった、豊富な商品ラインナップと低価格について簡単にまとめてみたいと思います。

 

amazonの品揃えは恐ろしいほど優秀で、書籍から日用雑貨、家電、はたまた車まで、ないものを探す方が大変といった具合です。また、その価格についても近所の店舗で購入するよりもお値打ちなこともしばしばあります。実店舗で商品を見てからamazonで値段を見て購入するという人も大分増えたのではないでしょうか。

では、amazonはどうやってそれだけ豊富な品揃えを実現しているのでしょうか?そのキーは「マーケットプレイス」という仕組みです。この「マーケットプレイス」は平たく説明すると市場です。amazonは、ネット上に市場を持っていて、そこには多くの企業が出店しています。もちろん、ただ市場があるだけでは出店者にはなんの旨味もありません。そこでamazonが事業者に提供しているのが「FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)」です。「FBA」とは、amazonが出店者に代わって、在庫の管理、注文処理から配送、決済、返品対応を行う代行サービスです。極論を言ってしまうと、amazon出店者は、amazonの物流倉庫に商品を入れさえすれば、あとはamazonがすべてしてくれるということになります。これは、小規模な事業者にとっては非常に便利なサービスとなります。なぜなら、amazonに代行してもらえる業務を自分たちでこなそうとした場合、それなりの人員と設備が必要だからです。

こうした「マーケットプレイス」という仕組みと「FBA」というサービスを求めて、amazonには多くの出店者が集まり、自社で揃えるまでもなく、商品が充実していくというわけです。なんとも、目からウロコです。

では、低価格にはどのようなカラクリがあるのか?これについては、いくつかポイントがあるようなのですが、ざっくりとまとめると「商品仕入れの方法」です。品揃えの仕組みについての時に、amazonで売られている商品は、企業から出店されていると説明しました。でも、これって企業が出店しているので、実際のところamazon仕入れを行っていないんです。amazonは流通の代行をしているだけです。各出店者に対して価格の設定権はないと思います。じゃあamazonは自分で仕入れを行っていないのか?こたえは行っています。そしてこれが低価格のポイントのひとつなんです。amazonは、自社のサイト内で販売されている商品の売れ筋やその傾向を自社仕入れか否かにかかわらず全て把握しています。そしてそのデータはリアルタイムでAIにより分析され、在庫状況と照合し、仕入部門にフィードバックされます。おどろくことに、仕入れの価格まで自動で出てくるそうです。あとは、出てきた価格と数量をもとに全国の供給元から商品を仕入れてくる。。。ちょっと待ってください。どこの誰がamazonの言い値で商品卸してくれるんでしょうか??そんなことしたら十分な儲けが取れないですよね??下手したら損しちゃいます。でも、いるんです。そこがamazonのすごいところなんです。amazon仕入れ先は全国にあります。たくさんあるんです。普通は、商品を仕入れようと思うと、自分たちの近くにある供給者から仕入れます。そうすると仕入れ先の数は限定されるので、卸す側からすると自分たちである程度値段をコントロールできるわけです。ですが、amazonの場合、発注をたくさんの業者にぶつけられるため、競争を生むことができます。これはもうたまったもんじゃありません。ですが、これができればたしかに仕入れ値が押さえられるので、低価格を実現できますね。

 

以上簡単にまとめましたが、品揃えの充実や低価格の実現、どちらも供給者に対して抜け目なく、容赦ないといった印象を受けます。でもこれは、創業者であるジェフベゾス氏が、amazon創業以来掲げている「地球上で最もお客様を大切にする企業」という理念から来ています。即日配達など、今では当たり前ですが、よくよく考えると過剰なサービスと感じなくもありません。でも実際便利です。そうしたお客様のニーズを徹底的に追求する。そしてそれが世界的に受け入れられているからこそ、amazonの圧倒的な存在があると言えなくもないと思います。

 

以上、「amazon 世界最先端の戦略がわかる」読んでまいりました。

よろしければまたおつきあいください。ではでは。。。

 

何が「欲しい」か分からない #3

 

 

 

本日もお疲れ様です。

引き続き、「『欲しい』の本質~人を動かす隠れた心理『インサイト』の見つけ方~」を読み進めていきます。

成熟した市場においては、十分な機能と品質を併せ持った製品、サービスがあふれている。その中で際立ったものを生み出すには、従来の開発の考え方と違う見方が必要というのが作者の提言です。たとえば冷蔵庫やテレビ、エアコンなどといった家電は、かつては生活の不便さを補うために必要な機能を追加、あるいは洗練し、利便性を追求していました。しかし、ある程度課題をクリアしてしまって以降は、どれも横並びとなりはっきりとした差をつけにくくなってしまったといいます。

本書では、そうした膠着した状態の中から抜け出す、「イノベーション」を起こすことができる考え方として「インサイト」を紹介しています。

ただ考え方を事例を交えて説明するだけでなく、作者が実際に「インサイト」を用いた開発支援を行う中で体系化した作業フローや、フレームワークなど実際に活用できる内容(わたしのレビューの中では具体的などについては触れません)となっていますので、実際に商品開発などで課題を抱えている方などは、ヒントを得られるかもしれません。

そもそも何故「インサイト」が「イノベーション」につながるのかというと、「インサイト」とは「人を動かす隠れた心理」であり、競合はおろかユーザーですら気付いていない新たな課題を見つけ出し、それを商品開発に活用する方法だからなんです。

それでは、その隠れた心理を見つけるにはどうしたらいいのか?わたしは真っ先にアンケートと思いましたが、どうも違うようです。そもそも、アンケートの回答は、すでに意識の上に出てきており、それは無意識の課題ではないと。アンケートに答えるときに、人は理性的(あるいはそう思い込んで)に内容を考えるのですが、実際に商品を選ぶときは、その通りに考えているわけではないので、必ずしも参考になるものではないというこのようです。このことは、なるほどなぁと思います。健康に気をつけようと思う一方で、ジャンクフードを食べたくなってしまう。。。理性的に考えたら食べない方がよいはずなのですが。。。

世の中健康志向だから、健康的なインスタントヌードルを作ろう!となるか、いやいやあえてスーパー特盛りを期間限定でやろう!となるか。どちらが正解ということではないですが、あえていうなら特盛りでしょうか。健康というワードとインスタントヌードルにあまり親和性がないというか、そこは求めてないという(あくまで個人的な意見です)。

といったような、表には出てこない人間の思考や意識を読み取って商品開発につなげてみる考え方と、方法がたくさん詰まった本になっています。

何が「欲しい」か分からない #2

 

 

 

今日もお疲れ様です。

前回に引き続き、「『欲しい』の本質~人を動かす隠れた心理『インサイト』の見つけ方~」を読み進めていきます。

本書、冒頭から、今の時代は「欲しい」が簡単には見えてこない、という話から始まります。

こう言われると、そもそも「欲しい」とはなんだろう?という疑問が湧きそうになりました。ですが、ここでは同じような商品、サービスの中から、明確に「これだ!」というものを見つけるのは難しく、またそう思わせるのも容易ではない、ということだと理解しました。

たしかに、店頭に行けば、一つのアイテムであっても複数の商品がずらっと並にでいますね。その中から、本当に自分が欲しいものを選んで買えているかというと、疑問はあります。大体の商品は、自分が求める機能や品質を十分に満たしているので、あとは価格であったり、よく分からない根拠によって選んでいる気がします。

当然わたしが仕事で関わっている商品、サービスを購入しているお客さんも同じように考えている、ということですね。このことに気づけただけでも目からウロコでした。

もちろん、競合は提供できないようなプラスの価値を意識して商品開発を心がけているのですが、お客さんからしてみると、そんなのは大した差、少なくともその差を根拠に選んでいる訳ではないのかもしれません。

 

となると、一体何をもとに「欲しい」を考えたらいいのか。。。

 

というわけで、 大分前置きが長くなってしまいましたが、次回からタイトルにもある「インサイト」とは何かという話に進んで行こうかと思います。

 

よろしければ、次回もお付き合いください。

何が「欲しい」か分からない #1

 

 

 

 

 マーケティング部署に配属されておよそ一年が経ちました。情けないことに、未だに右も左も分からないのですが、この一年でマーケティングに興味が湧いています。個人的にも色々と勉強してみたいなと思い、備忘録ではありますが、このブログを書いていこうと思います。

 今回選んだ本は「『欲しい』の本質~人を動かす隠れた心理『インサイト』の見つけ方~」です。通販サイトのおすすめに出てきた本なのですが、「欲しい」の本質という言葉のインパクトに押され、読んでみたいと思います。

あらためて「欲しい」とは何でしょうか?

 職場でもお客さんが求めるサービスとは?商品とは?について頻繁に議論します。わたしの場合、知識も経験も足らず、自信を持って発言できないのですが、この本を読んで自分なりの考え方が見つけられたらと思います。

 少しずつ読み進めながら、その記録を残していきます。